【イベントレポート】先輩起業家のトークセッション&座談会 ~未来を描き、夢を現実に。起業の扉を開いた先輩起業家が語る!~

2024年2月19日(月)、京都市のスタートアップ拠点である「淳風bizQ」と、京都知恵産業創造の森が運営するオープンイノベーションカフェ「KOIN」との初めての連携企画として、

 

先輩起業家のトークセッション&座談会
~未来を描き、夢を現実に。起業の扉を開いた先輩起業家が語る!~ 

 

を実施いたしました。

 

 

シンク・アンド・アクト株式会社 共同代表取締役 伊澤 慎一 氏

株式会社Gns 代表取締役 渡邊 高行 氏

2名を先輩起業家としてお迎えし、

株式会社ガイアックス XTC運営事務局 副幹事 清水 浩司 氏

がモデレーターとして、トークセッション・座談会を行っていただきました。

 

登壇者ご紹介

 

 

シンク・アンド・アクト株式会社 共同代表取締役 伊澤 慎一 氏

 

京都で大学時代を過ごした後、東京で銀行員としてキャリアをスタート。その後、いくつかの企業で勤務した後、30歳の時に、京都に戻って大学時代の友人と起業。現在は、京都における社会課題解決事業と人材・組織開発事業を中心に事業を営んでいる。2020年より「淳風bizQ」に入居。

 

https://www.thinkandact.jp/

 

 

株式会社Gns 代表取締役 渡邊 高行 氏

 

17歳から25歳まで俳優として活動した後、29歳でIT企業、株式会社Gnsを創業。京都と東京の二拠点で活動している。 Web・アプリ開発をはじめ、DXIT支援を行う。 社名に込めた”Go, next stage”の想いを胸に、新規事業立ち上げ支援、学生の事業立ち上げ伴走支援を行う。

 

https://gns-japan.com/

 

 

株式会社ガイアックス XTC運営事務局 副幹事 清水 浩司 氏

 

多くの起業家を輩出する株式会社ガイアックスに新卒入社し、ファンド運用子会社の責任者などスタートアップ支援に従事。その他、物流企業の顧問や全国のインキュベーション施設で起業相談や創業支援にも従事。現在は国際的なビジネスコンテストXTCの運営を行い、国内スタートアップの海外進出を支援。「KOIN」アイディア相談窓口担当及び先端技術窓口担当。

 

https://www.gaiax.co.jp/

 

起業の動機「このままでいいのか?」

 

起業のきっかけやタイミングは人によってさまざまです。

登壇いただいたお二方も、起業を考えた時期や経緯は全く違うものでした。

しかし、お話を聞いていて、お二人に共通した

「このままでいいのか?」

という強い感情があったように思います。

 

 

伊澤氏はサラリーマン時代、仕事をしていた東京と地元福井との行き来の中でさまざまなことを感じていたといいます。

 

昼間一生懸命働く東京のサラリーマン、早くに仕事を終えて地域コミュニティで語らい合う地元福井の漁師たち。

あまり楽しそうな顔をしていない職場の先輩、所得は決して高くないけど楽しそうに生きているなと感じる地元福井の漁師たち。

 

また、身近な人が病気になったことも大きく価値観に影響を与えたといいます。

 

いきなり起業に至ったわけではありませんが、その後、伊澤氏は人そのものに対する興味が出始めて人材系の会社へ転職されたとのこと。

 

仕事が変わったことで、自分が抱えていた問題意識が次第に具体的になっていったそうです。

 

「自分たちの子どもの世代に活気がどんどんとなくなっていくのでは?」

「このままでいいのか?」

 

そうして、幼児教育事業の立ち上げを決意され、後の企業向け人材教育プログラムの事業をはじめとした、人と人とのつながりに関わるさまざまな事業に取り組まれて行ったそうです。

 

 

渡邊氏の場合は、役者から起業の道という、大変、珍しい道を歩まれています。

 

17歳から役者を志して日々活動を続けていたそうですが、25歳のある日、父親が倒れてしまい、家族のために役者への道を諦めざるを得なくなってしまったそうです。

 

「大学に行って何勉強するねん」

「サラリーマンにはなりたくない」

 

と考えて進んでいた役者への道ですが、その道が途絶えたことで、大学での勉強や一般企業への勤めを経験していない自分に一体何ができるのかと絶望したといいます。

 

父親が回復してリハビリに取り組んでいる中、関節が自由に曲げられない父親を見て

 

「まだ自分は関節を曲げられる」

「まだ自分は元気に生きていられる」

「ありがたいことだ」

 

と感じ、自分の体が元気なうちにやりたいことをやるべきだと考えるようになったのだそうです。

 

今の自分にもできることがあると考えて東京に出向き、友人のマジシャンと一緒にマジックショーの事業を始めるところからスタートされました。

一般社会で求められるスキルを持ち合わせていないけど、自分はまだまだ元気に活動することができることを心の底から実感した時、

 

「このままでいいのか?」

 

という気持ちが高まったのではないかと思います。

 

カンペキに思えた事業計画、でも現実は厳しい

 

 

お二人に共通していると感じたのは、起業して間もない頃の失敗談にもありました。

 

伊澤氏は銀行や人材系の会社に勤めていたこともあり、数字を元に計画を立てることはお手のもの。机上では筋の通ったキッチリした計画書を作っていたそうです。

 

氏も顧問税理士から受けていた起業カリキュラムや、プログラミングスクールの訓練によって、誰に対してどういったサービスを提供すれば、どれだけの売上が立つのかシミュレーションできるようになり、年商3億円を想定した計画書を作ったそうです。

 

しかし、お二人とも計画通りどころか、売上がほとんど立たない、どこの企業にも相手にされないという目も当てられない状況に直面したとのこと。

実績も何もない企業では見向きもされないというのが現実で、思い描いていた理想図も見るのが恥ずかしくなるくらいだったそうです。

 

それでも続ける!起業をして良かったと思える「人とのご縁」

 

しかし、お二人とも起業をしてから事業を今まで継続してこられました。

 

 

決して最初に思い描いた通りではないけど、それでも起業をして良かったと感じているのは、「肩書きに囚われず、人として自然と人に接することができるから」だと伊澤氏は語りました。

 

誰かに言われてやる仕事ではなく、自分で事業の必要性を考えて自分で作り上げる仕事だからこそ、人として自然な考え方のまま関わりを持つことができるのだそうです。

京都で起業すると決めて会社を辞めた時、上司から京都の知人を紹介いただいたそうですが、その時のご縁は今でも続いているのだとか。

 

他にも、給料が0の生活の中、昼間にバイトに入ってくれていた奥さんの存在や、人材教育のプログラムを最初に拾い上げて口コミまで広げてくれた会社の存在など、今まで支えられてきた人々に対する感謝の気持ちをとても楽しそうに語られていました。

 

 

氏も人とのご縁に支えられてきたお話をたくさん語られました。

 

起業カリキュラムを一緒に受けていたシニアエンジニアの方が、実は28歳から勉強を始めてエンジニアになったという話を聞いて勇気づけられたお話、

プログラミングスクールをやっている知人に特別にタダでカリキュラムを受けさせてもらったお話、

飲みの場で現在の創業メンバーと偶然出会って意気投合したお話。

 

今の渡氏を形づくっているのは、運や偶然に支えられてきたものがとても大きいのだそうです。

起業して5年、どこまで行っても壁を感じる毎日で、移動の電車の中にいる時間も無駄にはできない、そうイキイキと語られていました。

 

起業をする方に向けて「自分の人生」

 

セッションの最後では、今後ご自身が手がけておられる事業の今後の展望や目標、そして起業を目指している方に向けてのメッセージをテーマにお話しされました。

 

 

自分達が取り組む領域は、決してスケールする事業ではないけれど、目の前で困った顔をしている人を助ける事業は誰かが取り組むべき領域なのだと誇られていた伊澤氏。

 

事業としての成功を語る上で数字を考えることは必要なことで、伊澤氏自身も数字について考えることは好きだったといいます。しかし、世の中は数字が読みきれないことで溢れていて、簡単にわからないことだからこそ面白く価値があることなのだと熱く語られました。

 

自身が立てた計画が全くうまくいかなかったところからのスタート。誰もわからない未来を歩み続けて、来年どんな事業を手がけているかもわからない状態が今でも続いているそうですが、

 

「自分の人生のハンドルを握ることはできる」

 

と起業を目指す方に向けてのメッセージを届けてくださいました。

 

 

起業というものは別にゴールでもなんでもない、と語られたのは渡邊氏。

 

そもそもご自身が起業家だとも思っていないといいます。

起業というのは、あくまで自分の人生において何かをかなえる手段でしかないのだから、勢いでやるのも計画的にやるのもどちらでも構わないが、起業をすること自体が目標になってはいけないとご自身の考えを述べられました。

 

自分ができないことは人に頼り、人のご縁に支えられることで、なんとかここまでやってこられたと振り返る渡邊氏。

何かプロジェクトが始まった時に、初めからメンバーが揃っていることはなく、必要に迫られた時にそれを補ってくれる人との出会いに恵まれ続けたといいます。

 

京都は起業家にとって頼るべき場所がたくさんあり、知恵森のKOINをはじめとした起業家サポートの人やコミュニティにお世話になりっぱなしであると、感謝の気持ちと共に、ぜひ起業を考えている方にはサポートしてくれる人やコミュニティにどんどん頼っていって欲しいとメッセージを下さりました。

 

 

モデレーターの清水氏も、お二人の話に感化され、ベトナムの知人起業家のお話を紹介されました。

 

ベトナム戦争を経験しているベトナムの起業家の間では、今が当たり前ではない、という感覚が強いので、今を楽しむことを大事にしているのだそうです。

 

「自分の人生をどう生きるべきか」

 

起業を経験されてきた方は、人一倍、自身の人生について考えてこられてきているのだと感じるメッセージでした。

 

座談会、名刺交換会でもたくさん質問が

 

トークセッション終了後、3人の登壇者に向けてたくさんの質問を飛び交いました。

 

起業を志している方、起業家をサポートしている方、京都を拠点に色々な活動をしている方がそれぞれの視点に基づき、非常に興味深い質問が次々と出てくる座談会でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

淳風bizQでは、今後も様々なイベントを企画して参ります。

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淳風bizQホームページのニュース

​​https://jumpubizq.com/news/

 

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