「淳風bizQ」(じゅんぷうびずく)とは

京都市では、令和2年7月、国による「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点都市」において、大阪、ひょうご・神戸とともに「グローバル拠点都市」として選定されました。選定を契機に、時代の最先端技術や誰も考えつかないようなアイデアで、様々な社会課題に挑戦し、経済と社会に新たな活力を生みだす「スタートアップ」の活動を支援する取組を加速させています。

 

淳風bizQは、スタートアップ等が集積し、地域と共存しながら新たなビジネスに挑戦するなどイノベーションが創出する場となるよう、地域に長らく愛された建物である「元京都市立淳風小学校」と「旧下京図書館」を活用し、設置したスタートアップ向けオフィス兼交流スペースです。令和3年11月から全体の運用を開始し、現在9社が入居しております。

 

・令和2年  6月:淳風bizQ(旧下京図書館)運用開始(2社)

・令和3年11月:淳風bizQ(元淳風小学校)運用開始(7社)計9社

 

 

施設名の由来

淳風美俗(じゅんぷうびぞく=人情の厚い美しい風俗や習慣)という四字熟語にかけビジネスの「biz」「飛躍的進歩」(Quantum leap)や「探求」(Quest)の意味を込めた「Q」の文字を組み合わせた名前です。

 

 

 

施設の歴史

旧下京図書館

旧下京図書館の建設年次や設計・施工者は、はっきりと伝わっていませんが、昭和初期(大正期という説もあります。)に、この地域のコミュニティ施設として建てられたのが始まりとされています。当時、この地域の呼び名であった「下京第十六番学区」にちなんで「十六会館」と呼ばれていたそうです。

昭和26年に京都市に寄付され、同年から昭和56年までは「京都市社会教育会館」として、昭和56年から平成13年までは「下京図書館」として利用されました。

 

元淳風小学校

元淳風小学校は、明治2年に下京第22番第32番両組協立小学校として創設され、明治8年に平安京の坊名(淳風坊)から「淳風校」と命名されました。昭和6年築の現在の校舎はロマネスク様式を基調とし、正面玄関の石畳,大アーチをはじめ,内部も重圧なインテリアを構成し、木造校舎のようなぬくもりと落ち着きがあります。

昭和22年に現在の「京都市立淳風小学校」と改称、平成29年3月までの147年間,地域の子どもたちの学び舎として愛された建物です。現在は地域の体育・文化活動の拠点としての役割も担っています。

 

淳風bizQのデザイン

旧下京図書館や元淳風小学校の特徴的なデザインについて、『京都市の近代化遺産-京都市近代化遺産(建造物等)調査報告書- 近代建築編』(2006年京都市文化市民局)は、次のように解説しています。

 

旧下京図書館

庇や窓台で水平線を強調し、大きな丸窓を配するのは1930年前後の流行のデザインで、アールデコや構成主義の影響といえる。室内意匠には細かな凸凹を繰り返すF.L.ライト風の手法も見られる。

 

元淳風小学校

外観は,柱間に3連の縦長窓が規則正しく配置されて縦のラインが協調され,3階では外装タイルで縁取られた3連のアーチ窓とし,ロマネスク風の意匠で全体を統一している。

 

校舎全体を繋いでいる長い廊下は,全体に真っ白なプラスター仕上げに板張りの腰壁と床,さらに教室境に填められた木製建具などにより,木造校舎のような落ち着きと温もりを感じさせる。

 

淳風bizQには、当時の職人技の痕跡がそこかしこに残されており、新たな価値の創造に取り組むスタートアップ企業にも、刺激とインスピレーションを与え続けています。

 

 

 

運営主体

運営主体は、京都市が創業・イノベーションの創出に関する知見や実績を有する民間事業者や支援機関とともに設立した協議会(任意団体)です。

 

名称
京都市創業・イノベーション拠点運営協議会
目的
クリエイティブな人材や企業の集積と、地域企業との交流・連携を促す「京都市創業・イノベーション拠点」の整備・運営を、民間事業者や支援機関等の幅広い視点を取り入れつつ効果的に実施する。
設立
2019年10月9日